都立推薦入試小論文道場

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平成28年度 東京都立日比谷高校 推薦選抜にもとづく選抜 小論文―解答への導き&模範解答―

 

平成28年度 東京都立日比谷高校 推薦選抜にもとづく選抜 小論文

 

問題はこちらより。

www.hibiya-h.metro.tokyo.jp

 

解答例1

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解答例2

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大問1

図1は、気象庁が大気中の二酸化炭素濃度を観測している地点である綾里、南鳥島及び与那国島の位置を示している。図2は、これら3地点における大気中の二酸化炭素濃度の変化を示したものである。あとの各問に答えなさい。

 
問1 図2から、3地点の大気中の二酸化炭素濃度の変化に共通する特徴を二つあげなさい。

 
二酸化炭素濃度の変化グラフに見られる顕著な特徴について記述すればよい。

 
①三地点の二酸化炭素濃度の変化サイクルがほぼ同じであること。
②年を追うごとにだんだんと二酸化炭素濃度が上昇していること。
③毎年4月から7月までは二酸化炭素濃度が減少傾向にあること。

 
などを記述できればよいだろう。

 
問2 南鳥島与那国島の2地点はほぼ同じ緯度であるが、大気中の二酸化炭素濃度の変化に相違がある。相違点とそれが生じる要因について、あなたの考えを80~100字で書きなさい。

 
まず、図2のグラフから、総じて与那国島のほうが南鳥島よりも二酸化炭素濃度が高いことを読み取る。そのうえで、ほぼ同じ緯度にある二つの島の二酸化炭素濃度の違いの要因を考えなければいけない。そこで、与那国島のほうが中国に近いという地理的環境を考慮しよう。 
そして、中国は近年、経済発展が著しい一方で、大気汚染が深刻化している。これらの要因を結び付けて考えれば、解答の記述はさほど難しくないだろう。

 

 
Ⅱ 
図3、図4は、地球における炭素の循環の様子を、産業革命前(図3)、現在(図4)について
模式的に示したものである。また、図5、図6は、二酸化炭素濃度と気温変化を、1980年ころに予想したものであり、図5は、経済成長を維持してエネルギー源を石油や石炭に求めた場合、図6は、経済成長を抑制してエネルギー源を核エネルギー太陽エネルギーに求めた場合のものである。あとの問に答えなさい。

 
問 今後、気温変化の上昇をできるだけ抑えるためには、エネルギー源をどのように求めればよいか。図3、図4から読み取れること、図5、図6から読みとれることをそれぞれ簡潔に述べ、炭素の循環、経済活動、持続可能性の三つの視点をふまえながら、あなたの考えを400~440字で書きなさい。

 
当たり前のことだが、問題によって指示されていることは必ず記述する。この場合は、図3、図4、図5、図6から読みとれる内容をもれなく記述する。また、図3と図4、図5と図6はそれぞれ対照的に比較検討されるべき図だ。ようするに、二つの図のあいだの違いを見てとればよい。それぞれの図から読みとったことを簡潔にまとめたうえで、いよいよ本題だ。

 
気温上昇を抑えるために、どのようなエネルギー源をどのように用いていくべきなのか。化石燃料の使用による二酸化炭素排出によって、気温は上昇する。したがって、化石燃料の使用を今後は抑えていくことが考えられるだろう。しかし、化石燃料からのエネルギー転換には経済活動への多大な影響がある。さらには化石燃料にかわる太陽エネルギーや核エネルギーの使用は、それぞれにコストや安全性の問題があり、持続可能なエネルギー利用という観点から問題がある。これらの点を踏まえたうえで、自分の考えを結論として述べられるとよい。

 

 

 

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